多様性教育とは
これまでの日本の人権教育は、「差別してはいけません」という理念にとどまり、差別を見抜く理論的学習や、実践的な行動力に結びつかないと批判されてきました。自尊感情を育てようとしていれば、それだけで人権教育であるかのような誤解もありました。
多様性教育とは、自分から出発して、さまざまな違いを認めあうことへと進み、差別につながりやすい違いを学習していき、差別 を見抜く力・差別に対して行動する力を培うところへと向かっていく人権学習プログラムです。多様性教育の特徴の一つは、すべて参加型学習で構成されており、学習のプロセスや工夫がていねいに練り上げられていることです。
●多様性教育の構成原理
次の❶から❼への流れで人権教育のカリキュラムを組むことによって、自分から出発して、 自己との関わりを踏まえつつ、行動する力が育まれます。低い学年では➊➋を重視し、高い学 年になるほど➏➐を重視することになります。また、年度当初には❶❷を重視し、年度後半に は❻❼へと重点が移っていきます。
➊ 自分が生きる価値を実感する(自尊感情の形成)
➋ いろいろな違いを自覚し尊重しあう
➌ 「差別につながりやすい違い」を認識する
➍ 差別の歴史的・社会的背景を学ぶ
➎ 自分の経験に照らしつつ共通概念を習得する
➏ 身のまわりで起こった差別的言動に対する行動力を育む
➐ 社会に働きかけるための集団的・組織的な行動力を育成する
ODENはこのような多様性教育を推進していくために、『多様性教育学習ガイドブック』を提供するためのワークショップの開催、学校や自治体の人権学習へのファシリテータ派遣事業を行っています。
『多様性教育学習ガイドブック』の内容紹介 <A4版430ページの分厚い冊子です>
◇ 第1部 ようこそ多様性教育へ
◇ 第2部 さまざまな学習活動
序章 安心と傾聴
1章 わたしとあなた(レッスン1〜8)
2章 くらしと文化的多様性(レッスン1〜8)
3章 バイアスをみぬく(レッスン1〜12)
4章 バイアスにたちむかう(レッスン1〜8)
◇ 第3部 多様性教育を深め広げるために
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